
SEEDS Hosting Serviceでは2009年9月1日より、マネージドサーバーをご利用頂いているお客様にHA(ダウンタイム短縮)オプションの提供を開始しました。
HA(ダウンタイム短縮)オプションは、ハードウェア障害などでサーバーが停止してしまった場合、復旧に要する作業時間を大幅に短縮できる復旧対策オプションです。
1分1秒のサービス停止が企業の死活問題になります
近年、インターネット利用人口の増加に伴い、ECサイトや情報提供サービスなど営利目的でサービスを運営される企業様が増えてきました。
営利目的で運営されているサービスの多くは、1日数千から数万のアクセスが発生しており、サーバーの障害によるサービス停止は大きなビジネスチャンスの損失ばかりか、企業の信用失墜につながり、企業生命に大きな打撃を与えてしまう危険性があります。
そのような事態を出来るだけ防ぐためにも、「障害発生時におけるサーバーの停止時間を出来るだけ短縮して貰いたい」という企業様からの声が、日を追う毎に強くなってきていました。
お客様の声を反映させた新サービスをスタート
障害発生時にサーバーを停止させる事なく運用を行いたい企業様に対して、弊社はこれまでロードバランサー等の機器を導入することで、サーバーにかかる負荷を分散させる無停止型冗長構成の提案を行ってきました。
しかし、負荷分散装置の導入及び運用時に発生するランニングコストは、低価格でサーバーをご利用いただいている企業様にとっては大変膨大であるため、ごく一部の企業様にしかご利用頂けないような状況でした。
そこで、シーズホスティングサービスでは「高品質なサーバー運用サービスを安価で多くの企業様にご利用頂く」をコンセプトに、サーバーを停止させる事なく運用を行う方法はないかと考え、「サーバーが停止している時間そのものを短縮出来れば、サービスの再開を即座に行う事が可能となり、安心と信頼のサービスを安価で提供する事ができるのでは?」という逆転の発想を基にしたサービスを企画立案し、2009年4月より導入技術の選定、構築、障害時における復旧テストと言った様々な検証を積み重ねてきました。
そして、2009年9月。満を持して、マネージドサーバーHAオプションサービスの提供を実現する事が可能となったのです。
まず、HAオプションの構成からご案内します。
HAオプションはプライマリサーバーとセカンダリサーバーという2台のサーバーで構成されており、この2台は、ハードウェア、OS等が全て同じ構成にて構築されております。
お客様が通常ご使用になられるサーバーがプライマリサーバーとなり、データベースの利用やファイルのアップロード等を行う際に使用されます。一方のセカンダリサーバーには、お客様がご利用になられるエリア(Home、パーティション)とMySQLのデータがプライマリサーバーの更新とほぼ同時に更新されるような設定となっております。
この2台のサーバーはファイルやデータ等が常に同じ状態に保たれており、万が一何らかの事情によりプライマリサーバーが停止、復旧に時間を要する場合であっても、セカンダリサーバーにてプライマリサーバーと同様のサービス提供を行う事が可能です。
セカンダリサーバーには、プライマリサーバーが停止する直前までのデータが格納されており、障害発生直前の状況でサービスの復旧が行えるため、ファイルやデータの欠落もほとんど起こりません。
【HAオプションのポイント】
現在のHAオプションは、対応データベースがMySQLに限定されている事や、コントロールパネルのPleskがご利用頂けない、といった制約があります。
今後は、そのような制約を設ける事無く、更なる技術的な改善を図るとともに、負荷分散装置を使った無停止型の冗長化構成を低価格でご提供するための手法開発等、より高度化するWEBサービスに対応すべく、更なる技術の開発を行っていきます。